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ポリイミド(PI)の特性・用途・加工法・競合比較と設計上のポイント

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ポリイミド(PI)の特性・用途・加工法・競合比較と設計上のポイント

ポリイミド(PI)は高温でも機械特性・電気絶縁・寸法安定性を保つ、数ある高機能樹脂の中でも抜きん出た材質です。扱いを誤らなければ、過酷環境で長寿命・高信頼を実現できます。

一方で、材料費の高さや熱硬化ゆえの成形制約、吸湿管理といった設計・製造上のハードルも存在します。そのため、どこでポリイミド(PI)が必要で、それ以外は他材質で最適化できるかを見極める眼が成果を左右します。

当記事では設計者・開発担当者向けに、物性や加工方法をはじめ、現場で効く設計上の留意点まで、実務に直結する情報を網羅的に整理します。

PIの概要

ポリイミド(PI)とは?

ポリイミド(PI)

ポリイミド(PI)は、その分子主鎖中にイミド結合(-CO-NH-CO-)を含む高分子化合物です。熱的・化学的に非常に安定で、高性能プラスチック(エンジニアリングプラスチック)の一種に分類されます。

一般的に耐熱性が極めて高く、摺動特性や電気絶縁性にも優れることから、過酷な環境での使用に適しており、航空宇宙や半導体製造装置、発電設備など高温・高負荷の用途で重用されています。

代表的なポリイミド(PI)材料に、デュポン社が開発したカプトン(Kapton)フィルムがあります。カプトンはピロメリット酸二無水物と4,4’-オキシジアニリンの縮合重合法によって製造される古典的なポリイミド(PI)であり、その卓越した性能により電子機器や宇宙機器に広く利用されています

ポリイミド(PI)はその橙黄色の外観も特徴的であり、高温安定性の指標にもなっています。

まとめ

ポリイミド(PI)はイミド結合を持つ高耐熱性の高分子で、優れた絶縁性と機械特性を備えます。航空宇宙や半導体分野など、高温・高信頼環境で欠かせない高機能樹脂です。

PIの特性

高温でも機械・電気特性と寸法安定性を維持しつつ、耐薬品・難燃・低アウトガス性を備える

高温・高信頼が要求される現場で、ポリイミド(PI)は最適な材質と言えます。この章では、ポリイミド(PI)の主な特性について解説します。

種類・分類|骨格構造や重合形態により分けられる

ポリイミド(PI)はその骨格構造や重合形態によりいくつかに分類されます。主鎖構造の違いでは、脂肪族系、半芳香族系、芳香族系に大別され、特に芳香族ポリイミドが熱的安定性に優れるため工業用途の主流となっています。

また加工特性の観点から、熱可塑性ポリイミドと熱硬化性ポリイミドに区分されます。一般的に用いられるポリイミド(PI)の多くは熱硬化性で、最終製品形態として未硬化樹脂やポリイミドワニス(溶液)、成形用粉末、シート状プリプレグなどの形で供給され、成形・硬化によって使用されます。

一方で、熱可塑性ポリイミドは高温で溶融成形が可能なタイプで、しばしば「疑似熱可塑性」とも呼ばれます。これは完全な溶融には極めて高温が必要で実用上は半分熱硬化型のような挙動を示すためです。

さらに化学構造の観点では、ポリイミド(PI)と類似の高耐熱ポリマーとしてポリアミドイミド(PAI)やポリエーテルイミド(PEI)などもあり、広義には同じスーパーエンプラのカテゴリーで比較検討されます。

耐熱性|連続使用およそ250℃、-250℃にも耐えうる

ポリイミド(PI)最大の特徴は耐熱性です。連続使用温度はおよそ250℃前後にも達し、短時間であれば300℃を超える温度にも耐えます

代表例であるカプトンフィルムは、-269℃(液体ヘリウム温度)から400℃近くまで性質を維持でき、従来のプラスチックでは実現できない温度範囲で使用可能です。こうした超高温環境下でも機械的強度の保持率が高く、260℃付近の連続使用も可能とされています。

優れた機械的強度と剛性|100MPa以上の引張強さ

ポリイミド(PI)は軽量ながら強靭な材質で、引張強度・曲げ強度が非常に高いです。

未充填グレードでも引張強さは150 MPa前後に達し、ガラス繊維やカーボンで強化したグレードでは曲げ強度340MPa、曲げ弾性率21,000 MPaに達する報告があります。クリープ変形(長時間荷重による歪み)も極めて小さく、高温下でも機械的寸法安定性に優れます。

特に熱的挙動としては、たとえば200℃以上の高温においても機械強度をほぼ維持し続けることができ、設計上高温クリープや緩みの心配が少ない点は大きな利点です。

耐薬品性・耐環境性|有機溶剤やオイルに強く難燃性

ポリイミド(PI)は化学的に極めて安定なポリマーです。

一般的な有機溶剤(炭化水素系、エステル、エーテル、アルコールなど)やオイルにはほとんど侵されず、多くの環境下で寸法や強度を保持します。また耐放射線性にも優れ、宇宙空間での宇宙線や紫外線曝露下でも特性劣化が小さいことが知られています。

さらに難燃性も大きな特徴で、ポリイミド(PI)は自己消火性を示し燃え広がりにくいため、通常難燃剤の添加を必要としません。多くのポリイミドフィルムはUL94規格でV-0相当(VTM-0)の難燃性認定を取得しており、防火安全性の高い材質です。

電気特性(絶縁性)|3.0前後の誘電率

ポリイミド(PI)は高絶縁性の材質で、誘電率は約3.0前後と低く高周波特性にも優れます。

耐電圧も高く、薄いフィルムでも数十kV/mm級の絶縁破壊強度を持ちます。高温下でも絶縁性能を維持する点は、モーターや変圧器の絶縁、フレキシブルプリント基板の絶縁膜などに適しています。また耐コロナ放電性(部分放電に対する耐性)も高く、高電圧環境下での信頼性にも優れています。

潤滑性と耐摩耗性|無給油で摺動部材に適する

純粋なポリイミド樹脂自体の摩擦係数は比較的低く、ドライな摺動条件でも安定した摩擦特性を示します。ポリイミド(PI)は摩耗耐性にも優れ、摺動部品として使用した場合の摩耗粉の発生が少ないことが報告されています。

さらに、用途に応じて固体潤滑剤(黒鉛、PTFE、二硫化モリブデンなど)を充填したグレードでは自己潤滑性が飛躍的に向上し、無給油での摺動部材(ベアリング・ブッシュなど)として極めて良好な性能を発揮します。

たとえば、ポリイミド(PI)は基本摩擦係数が低く摩耗率が一定であるため、ドライ条件での軸受にはPEEKより適するという評価もあります。

まとめ

ポリイミド(PI)は250℃級の高温下でも強度・絶縁性・寸法安定性を維持し、薬品や放射線にも強い材質です。難燃・低アウトガス性にも優れ、過酷環境での長期使用に耐えます。

設計上の短所

価格・成形・加工性がポリイミド(PI)設計上の短所

ポリイミド(PI)は耐熱性や絶縁性で突出した性能を持つ一方で、以下のようなデメリットもあります。

価格が高い|必要最低限の箇所に使用

ポリイミド(PI)樹脂の価格は他のプラスチックと比べ突出して高価です。他の高性能樹脂であるPEEKを基準にしても3~4倍程度の価格差があり、一般的なエンジニアリングプラスチック(ポリアセタールやナイロンなど)と比較すれば20~25倍以上にもなります。

このため、ポリイミド(PI)製品は小型部品や必要最小限の箇所に限定して使われる傾向があります。コスト要因は採用可否を左右する大きなポイントであり、必要な性能が得られる場合はより安価な別素材で代替するのが一般的です。

成形加工の難しさ|複雑形状の量産には不適

熱硬化性ポリイミドは融点がなく分解温度が極めて高いため、射出成形や押出成形が困難です。通常は粉末を圧縮成形(プレス焼成)して成形し、その後高温で焼固めるという工程が必要で、複雑形状の量産には適しません。

一部の熱可塑性ポリイミドを除き、溶解状態での成形加工ができないことは設計上の大きな制約です。また、フィルム製造にも有毒な溶媒を用いる必要があるなど製造プロセスが難しく、高い生産コストにつながっています。

吸湿性と保管管理|吸水・吸湿に注意

ポリイミド(PI)は高密度な芳香族高分子ですが、僅かながら吸水・吸湿します。他の材質に比べると低いものの、たとえばプリント基板材料の比較では、ポリイミド(PI)は最大で重量の約2%まで水分を吸収するのに対し、エポキシ樹脂FR-4基板は0.1%以下とされています。

吸湿したポリイミド(PI)を急激に加熱すると内部の水分が膨張し、気泡や剥離を招く恐れがあります。電子基板用途では実装前に十分な予備乾燥(ベーキング)が推奨されるなど、扱いに注意が必要です。

また、吸湿により寸法精度や誘電特性が若干低下する場合もあり、高信頼性用途では管理が求められます。

耐薬品性|強アルカリや強酸には不向き

ポリイミド(PI)は有機溶剤や弱酸には強い耐性を示しますが、強塩基(苛性ソーダなどのアルカリ)や高温下の無機酸には化学分解される可能性があります。

たとえば、濃厚な水酸化ナトリウム溶液中や高温高濃度の硫酸中では加水分解・開環反応が進み、機械的強度が低下します。そのため、それらの厳しい薬品環境下での使用は推奨されません(他に適したフッ素樹脂や耐食金属の検討が必要)。

もっとも、日常的な溶剤・油剤ではほぼ問題ないため、多くの環境で実用上支障はありません。

靭性|やや脆く延性が低い

ポリイミド(PI)は高強度ですが、一部グレードでは破断ひずみ(伸び)が5~10%程度とあまり大きくなく、ナイロンなど汎用樹脂と比べると靭性が低い傾向があります。

衝撃や繰返し曲げへの耐性(いわゆるタフネス)は他のプラスチックに劣る場合があり、用途によっては補強繊維との複合化や他材料とのラミネートで脆さを補完する必要があります。

ただし、フィルム状ではある程度の柔軟性を持ち、フレキシブル基板の折り曲げ用途などにも耐えるバランスの良い特性を示します。

まとめ

ポリイミド(PI)は性能面で優れる一方、非常に高価で成形・加工が難しく、吸湿管理も必要です。用途は高温・高信頼箇所に限定され、設計段階でのコスト見極めが重要です。

製品形態とグレード

ポリイミド(PI)の製品形態と代表的グレード

ポリイミド(PI)の製品形態

ポリイミド(PI)製品はフィルムや成形材料、繊維など多様な形態で市販されています。主な製品形態と代表例を紹介します。

ポリイミド(PI)フィルム|絶縁シートに不可欠

ポリイミド(PI)の中でもっとも広く利用されている形態が薄膜(フィルム)です。極めて高い耐熱性と絶縁特性を持つため、電子・電気分野ではフレキシブルプリント基板の基材やモーター/トランスの絶縁シートなどに不可欠な材料となっています。

また、薄いフィルム状でも-269℃から400℃程度まで物性を保つことができ、宇宙用途の断熱材や各種高温環境での電気絶縁用途にも使われています。近年では無色透明なポリイミドフィルムも開発されており、折りたたみ可能な有機ELディスプレイのカバー基材として注目されています。

高分子設計や添加剤技術により可視光の吸収を抑えた透明ポリイミド(PI)が各社から提供されており、折り畳みスマートフォンのディスプレイ表面材として実用化が進んでいます。

粘着テープ・積層シート|用途別に調整

ポリイミドフィルムにシリコーン系接着剤を塗布した耐熱テープ(一般的に「ポリイミドテープ」と呼ばれるもの)は、電子基板のリフロー槽でのマスキング固定などによく使われます。約300℃の高温でも接着剤が劣化しにくく、剥がした後も接着剤残渣がほとんど残らないのが特長です。

一方で、厚みのある絶縁板材が必要な場合には、ポリイミドフィルムを何層も積層熱圧着したシート素材が用いられます。すべてポリイミド(PI)で構成された積層板は接着剤を含まないため高温でも安定で、半導体製造装置の治具基板や断熱スペーサーなどに使用されています。

また、ポリイミドフィルムに銅箔を片面または両面接着したフレキシブル銅張積層板(FCCL)はフレキシブル基板材料の中核です。薄く軽量かつ柔軟という利点に加え、ポリイミド基材は優れた電気絶縁・耐熱特性を持つため、携帯電話やカメラ、PCなど幅広い電子機器の高密度配線板に用いられています。

成形材料・機械加工用素材|高精度な部品に活用

熱硬化性のポリイミド(PI)は、粉末を金型に入れて圧縮成形し焼結することで、丸棒材や板材などの機械加工用素材に加工できます。これらの半製品素材は切削加工により高精度な最終部品へと仕上げられ、航空宇宙や半導体製造装置などの分野で使用されています。

ポリイミド(PI)製の丸棒や板材は各種寸法が市販されており、たとえば丸棒では直径約3 mm程度から80 mm超まで、長さは約90 cm(3フィート)程度のものが標準的です。

板材も数mm厚から20mm程度まで用意されています。ポリイミド(PI)は高価で大型成形が難しいため、必要最小限のサイズを選定して加工することが重要です。

なお、機械加工用のポリイミド(PI)には純粋なポリイミド(無充填)のほか、潤滑剤や繊維で強化されたグレードも存在します。用途に応じて材料グレードを選ぶことで、高温環境下でも摺動部品や構造部品として信頼性の高い性能を発揮します。

繊維・フォーム(発泡体)|90%以上の航空機で採用

ポリイミド(PI)は繊維状にして活用することもできます。耐熱性の合成繊維として紡糸されたポリイミド長繊維やステープル(短繊維)は、高温集塵フィルタのフェルト(フィルターバッグ)材料や耐熱作業服の裏地などに使われています。

実際、オーストリアで開発されたポリイミド繊維は260℃前後の連続使用に耐え、ゴミ焼却炉や製錬所など過酷なガスの中で優れた集塵性能と長寿命を示しています。

またアラミド繊維では、難燃性が不十分な場合に、ポリイミド繊維をブレンドすることで自己消火性(LOI約38%)と耐熱安定性を付与した消防服や宇宙服用の布地も開発されています

一方で、ポリイミドフォーム(発泡体)は極めて軽量で難燃・低発煙の特殊フォーム素材です。航空機の機体内部や人工衛星の断熱・防音材として利用されており、わずかな厚みと重量で高い断熱性能を発揮します。代表例である米国開発のポリイミドフォームは、発火しても炭化するだけでほとんど煙や有毒ガスを出さず、90%以上の航空機で断熱材に採用されるほど信頼性の高い素材です。

熱可塑性ポリイミド樹脂(スーパーエンプラ)|射出成形で活用

ポリイミド(PI)の中には、熱可塑性(熱で溶融して再成形可能)タイプの樹脂も存在します。通常の芳香族ポリイミドは熱硬化性で加工が難しいですが、特定の分子構造を持つポリイミド(PI)は熱可塑性ポリイミドとして樹脂ペレット状になっており、射出成形機で溶融して成形できます

たとえば、日本で開発された熱可塑性ポリイミド(PI)樹脂は323℃の融点を持ち、自動車用のシールリングやベアリング部品などに射出成形で大量生産されています。

また、PEI(ポリエーテルイミド)の発展型にあたる高耐熱樹脂もあり、ガラス転移温度250℃以上のグレードが「熱可塑性ポリイミド(TPI)」として位置付けられています。これら熱可塑性ポリイミド(PI)はスーパーエンプラに分類され、金型による精密成形が可能な点が大きなメリットです。

ただし、一般的なエンプラよりはるかに高い成形温度(樹脂を溶かすのに400℃近く)や高度な温度管理が要求されるため、対応できる成形設備や工法が限定されます。その結果、実用化例は一部の特殊用途に留まっており、十分な性能を引き出すには最適な成形条件の追求が必要です。

充填コンパウンド(摺動・補強グレード)|部品の長寿命化に貢献

純粋なポリイミド樹脂に各種フィラー(充填材)を混合することで、用途に応じた特性向上が図られています。

たとえば、固体潤滑剤としてグラファイト(黒鉛)やPTFE(テフロン / バルフロン®)を適度に混合したグレードでは、摩擦係数が大幅に低減し、自己潤滑性が求められるベアリングやシール部品に適します。グラファイト充填ポリイミドは潤滑なしでも摩耗しにくく、高速・高荷重条件下の摺動部品で長寿命を発揮します。

また、繊維強化型としてガラス繊維やカーボンファイバーを混合すると、剛性(ヤング率)や耐荷重強度が向上し、高温下でも寸法安定性がさらに高まります。繊維で補強したポリイミド(PI)は熱膨張係数が金属に近づくため、部品寸法の変化やクリープ変形が抑えられます

実際に炭素繊維で強化したポリイミド複合材は、一般グレードに比べて耐摩耗性・耐熱寸法安定性が飛躍的に改善され、航空機エンジン周辺部品などに利用されています。

耐熱・耐環境グレード|使用環境に応じて調整された材料

標準的な芳香族ポリイミドは300℃前後まで構造安定性を保ちますが、さらに過酷な環境向けに特性を最適化したグレードもあります。

たとえば、高温下での寸法変化(熱収縮)を極限まで抑えたフィルムや、プラズマ・コロナ放電による劣化に強いポリイミド絶縁膜などが開発されています。

また、電子部品や宇宙機器向けには超低アウトガスや不純物イオン低減を実現したクリーングレードも存在します。難燃性については、ポリイミド(PI)は添加剤無しでもUL94 V-0相当の自己消火性を示す高耐燃材質です。

その他、耐放射線グレードでは高エネルギー線による分子鎖切断を起こりにくくする工夫が凝らされ、宇宙空間や原子炉内での長期使用に耐える材質が開発されています。紫外線劣化を抑制するため光安定剤を組み込んだグレードや、低温での靭性を高めたグレードなど、使用環境に応じて分子構造や添加剤を調整したポリイミド(PI)も提供されています。

光学用途・透明グレード|高透明かつ機能性を備えた材料が流通

通常の芳香族ポリイミドは、分子内の電荷移動錯体の影響で可視光を吸収し、茶褐色(アンバー色)を呈します。

しかし、ディスプレイや光デバイス用には高い透明性が求められるため、分子構造を工夫した無色透明ポリイミドが開発されました。典型的な手法は、剛直な芳香環構造の一部に脂肪族(柔軟な)ユニットを導入したり、フッ素置換や極性基の付加によって分子間相互作用を弱めることです。これにより可視光の吸収要因である電子の共役や立体的な分子間凝集を抑え、フィルムの色を薄くします。

実際、透明ポリイミドフィルムはプラスチック基板として液晶ディスプレイに用いられたり、先述の折り畳みOLEDディスプレイ用カバーシートとして実用化されています。光学用途向けのポリイミド(PI)には、透明性だけでなく低誘電率・低誘電正接による高速信号伝送特性や、特定波長での光学異方性制御(位相差フィルム用途)などが求められる場合もあります。

メーカー各社は分子設計と添加剤技術でこれら光学特性の最適化を競っており、高透過かつ機能性を備えたポリイミド材料が市場に投入されています。

フォトパターン対応グレード(感光性ポリイミド)|微細構造形成分野へと広がる

半導体やMEMSの製造プロセスでは、フォトレジストのように感光性能を持つポリイミド(PI)材料が活躍しています。従来はポリイミド膜をフォトマスクで直接加工できず、エッチングやリフトオフによるパターン形成が必要でした

現在では、あらかじめ感光性官能基を導入した感光性ポリイミド(PSPI: Photosensitive PI)を用いることで、紫外線露光と現像によってポリイミド膜自体を所定のパターンに成形できます

ネガ型(露光部が不溶化)とポジ型(露光部が可溶化)の両タイプが市販されており、必要な用途に応じて選択可能です。感光性ポリイミドは半導体ICの保護膜や応力緩衝層、めっき工程のレジストなどに用いられ、工程簡略化と高精度化に貢献しています。

たとえば、従来はポリイミド膜にスルーホールを開けるのにドリル加工や酸化銅マスクによる反応イオンエッチングが必要でしたが、感光性ポリイミドなら所定箇所だけ露光・現像で開口できるため工程数が削減されます。こうしたフォトパターン対応材料の登場により、ポリイミドの適用範囲は従来の基板・絶縁用途から微細構造形成分野へと大きく拡がっています

まとめ

ポリイミド(PI)はフィルム・成形材・繊維など多様な形態で展開され、用途に応じて特性を最適化できます。耐熱・絶縁・光学など幅広い特質によって、高機能な材質として進化を続けています。

PIの用途

ポリイミド(PI)の用途|腐食×清浄×難燃を要するシーンで定番化

ポリイミド(PI)の用途

ポリイミド(PI)はその優れた性能から、電子・電気分野から産業・宇宙分野まで幅広い用途に利用されています。この章では、主な用途分野と具体例について紹介します。

エレクトロニクス・半導体分野|絶縁フィルムに活用

電子機器においてポリイミド(PI)は柔軟な絶縁フィルムや耐熱基板として不可欠です。ノートPCのディスプレイと本体を繋ぐフレキシブル配線基板(FPC)は、屈曲に強いポリイミドフィルムを絶縁層に用いており、開閉時の繰り返し曲げにも耐久性を発揮します。

スマートフォン内部のフラットケーブルやカメラモジュール配線にもポリイミド(PI)が使われ、狭小空間での信頼性を支えています。半導体製造でもポリイミド樹脂はレジスト保護膜やパッシベーション層としてシリコンチップ上に形成され、機械的ストレスの緩衝や絶縁保護に役立っています。

また、フォトポリイミドと呼ばれる感光性ポリイミド材料は、半導体プロセスでフォトレジストのようにパターニング可能で、微細加工技術にも応用されています。ディスプレイ分野ではポリイミド(PI)が有機ELパネルや液晶パネルの製造において、配向膜や柔軟な基板材料として重要な役割を果たしています。

たとえば、薄膜トランジスタ(TFT)の樹脂基板として高透明なポリイミド(PI)が使われ、フレキシブルディスプレイの実現に貢献しています。

さらに、ポリイミドフィルムはスマホの内蔵アンテナ基板としても活用され、高周波特性と耐熱信頼性を両立しています。ポリイミドフィルムを基材にした茶色の耐熱テープ(カプトンテープ)は、高い耐熱性と電気絶縁性を持ち、電子部品の固定や基板のマスキング用途に広く使われています。薄くても耐久性が高く、宇宙用途から日常の電気機器まで活躍できます。

航空宇宙分野|過酷な温度変化や紫外線に対応

ポリイミド(PI)は航空機や宇宙機器にも多用されています。その軽量性と耐熱・難燃性により、航空機のエンジン周辺の絶縁部品や耐熱ワイヤ被覆に利用されています。

また、ロケットや人工衛星では、機器を断熱するための多層断熱材(MLI)にポリイミド(フィルムが使用されます。特に有名なのは宇宙機の表面に見られる金色のフィルムで、これはアルミ箔を蒸着したカプトンフィルムです。外層のポリイミド(PI)が金色に見えるため、一見金箔のようですが実際はアルミ蒸着ポリイミドフィルムが宇宙空間の過酷な温度変化や紫外線から機器を保護しています

さらに、ポリイミド(PI)は航空宇宙用の構造材としても、高温下で安定した摺動特性を活かし、ターボポンプのシールリングや軸受けブッシュなどに用いられています。固体潤滑剤を含有したポリイミド部品は、-150℃の極低温から数百℃の高温までの範囲で作動するロケットエンジンのバルブ機構においても高い信頼性を示しています。

宇宙探査機では太陽帆の基材としてポリイミド(PI)が使われた例(JAXAのIKAROS探査機のソーラーセイル)もあり、軽量で耐宇宙環境な膜材料として重宝されています。

このように、航空宇宙分野ではポリイミド(PI)の軽くて強く劣化しにくい特性が最先端技術を支える材質となっています

自動車・輸送機器分野|耐ガソリン性と高温安定性を活かして採用

自動車産業でも、高温部材や高信頼性部品にポリイミド(PI)が採用されています。たとえば、ガソリンエンジンの燃料ポンプやバルブシールには、耐ガソリン性と高温安定性からポリイミド系シール材が用いられることがあります。

また、高性能ブレーキパッドの一部にポリイミド樹脂を結合剤として配合し、高温時の安定した摩擦係数と耐フェード性を向上させている事例もあります。

自動車用電子部品では、エンジンルーム内のセンサーやコネクタにポリイミド(PI)ベースの樹脂成形品が使われ、高振動・高温環境下でも形状安定性を保っています。電気自動車(EV)の領域では、モーターのコイル絶縁やバッテリーパック内の絶縁フィルムとしてポリイミド(PI)が活躍しています。

EVモーターは高温になりやすいため、耐熱200℃を超えるポリイミドワニスでコイルを絶縁することで長寿命化を図っています。またポリイミドテープは、バッテリーセルの絶縁固定や配線の固定テープとしても広く使われています。

鉄道分野でも、トンネル内火災対策として難燃ケーブル被覆にポリイミド(PI)が採用されたり、車両の過熱部品(ヒーターや抵抗器)の断熱シートとして使われたりしています。輸送機器での採用は、厳しい耐久試験をクリアしたポリイミド(PI)ならではの信頼性確保の役割が大きいと言えます。

医療・その他産業分野|さまざまな産業で活用

医療分野では、ポリイミド(PI)は医療用チューブやカテーテルの材料として利用されています。血管内カテーテルの被覆にはポリイミド(PI)が適しており、高い耐破裂強度と柔軟性、薬品への耐性により、安全かつ細径のカテーテルが実現できます

また、MRIなど高温高周波環境で使用するコイル部やセンサー部品の絶縁材としても非導電・耐熱のポリイミド(PI)が使われています。さらに生体適合性も良好で、一部の植込み型医療機器(インプラント)にポリイミド(PI)が採用された例もあります。長期留置カテーテルや埋込センサーデバイスの薄膜部材にポリイミド(PI)が検討されています。

その他の産業用途も多岐にわたります。

たとえば集塵フィルターとして、焼却炉や石炭火力発電所の排ガス集塵バッグフィルターにポリイミド(PI)繊維製の不織布が使われています。高温ガス中でも溶融や劣化が少ないため、排ガスから粉塵を捕集するフィルターとして長寿命です。

水処理分野では、逆浸透膜(RO膜)の材料としてもポリイミド(PI)が用いられており、耐薬品性と長期安定性から純水製造や海水淡水化プロセスで活躍しています。

また、高温用接着剤としての用途もあり、半導体デバイスの封止や耐熱接着(ポリイミドフィルムにFEP樹脂をラミネートした接着テープなど)にポリイミドベースの接着剤が使われます。ポリイミドフォーム(発泡体)は耐火・断熱性能に優れ、航空機の内部構造の断熱材や防音材としても利用されています。

加えて、近年では燃料電池の高温プロトン交換膜としてポリイミド系材料の研究が進められており、将来的なエネルギー分野への応用も期待されています。

このように、ポリイミド(PI)は電子・機械から化学・エネルギーまで産業を支える素材として多岐の分野で役立っています。

まとめ

ポリイミド(PI)は絶縁・耐熱・難燃・耐薬品性に優れることから、電子機器から宇宙機器、医療・産業装置まで幅広く採用されています。過酷環境下での信頼性と長寿命化に貢献する定番材質です。

他材料との比較

他材料との比較|ポリイミド(PI)は高温下で寸法安定性が求められる現場で最適

ポリイミド(PI)を検討する際には、他の高性能材料との比較評価が欠かせません。

この章では、ポリイミド(PI)と代表的な競合材質の温度上限・機械強度/寸法安定・電気絶縁/難燃・耐薬品・量産適性・コストの差異を整理し、用途条件に応じた最適材料の選定ポイントを解説します。

PIと他材質比較
項目 PI PEEK PTFE FR-4 PAI PEI PPS LCP
主分類 熱硬化系中心(一部熱可塑) 熱可塑 熱可塑(溶融粘度極大) 熱硬化 熱硬化 熱可塑 熱可塑・結晶性 熱可塑・液晶性
連続使用温度の目安 250~260℃(短時間300℃超) 180~260℃ 260℃ 130~180℃ 260℃ 170℃ 240℃ 200~260℃
ガラス転移温度 200~300℃ 143℃ 327℃ 185~210℃ 285℃ 217℃ 93℃ 112℃
機械特性(代表例) 引張強度80~150 MPa 引張強度90~100 MPa 引張強度20~35MPa
  • 引張強度340~390MPa
  • ガラス布で補強し強度確保
引張強度152 MPa、靭性・耐熱機械◎ 強度・絶縁良好 ガラス繊維充填で剛性確保 高剛性(薄肉・高速成形向き)
摩擦・摩耗 ドライで低摩耗・安定(充填で更に低摩擦) 充填で良好化 極低摩擦だが摩耗大 一般的 摺動◎ 良好 良好 良好
耐薬品性
  • 多くに強い
  • 強アルカリ・高温強酸は注意
酸・アルカリ・溶剤に強い 最強クラスの化学的惰性 溶剤・薬品は用途次第 良好 良好 非常に強い 良好
加工性
  • 射出不可(熱硬化系)
  • 粉末圧縮→焼結→切削が主
  • TPIは高温射出可
  • 射出・押出可
  • 量産向き
圧縮焼結・ラム押出(射出不可) 積層・硬化で加工容易、安価 成形後ポストキュア必須 射出可、量産◎ 射出可、量産◎ 射出可、微細成形◎
コスト感 非常に高い 高い(PIよりは低い) 高い(用途次第) 低い 高い 中~高 中~高
主な用途領域 高温絶縁、FPC、宇宙・航空、摺動・シール 高温機械部品、医療、化学、電装 ライニング、シール、耐薬品部材 一般プリント基板 高荷重摺動、航空機 航空機内装、車載コネクタ 化学プラント、電装 微細コネクタ、精密部品
設計上の要点
  • 高温下の寸法安定◎
  • 吸湿による寸法微変化・実装前乾燥、コスト最適化
  • 260℃を超える領域はPI優位
  • 量産・複雑形状はPEEK優位
  • 構造荷重は不得手
  • PIとの複合(PTFE充填PI)も有効
  • 高熱・高密度配線はPI基板が優位
  • 吸湿少で扱いやすい
  • 吸湿で寸法変化
  • 加工・熱処理管理が鍵
PIほどの高温には非対応だが量産・コスト優位
  • 260℃超は劣化
  • 高耐薬×コスト重視に好適
  • フィラー依存で機械強度調整
  • 超高温はPI優位

まとめ

ポリイミド(PI)は、高温下での寸法安定性や絶縁性で他材質を凌駕します。一方で、コストや加工性ではPEEKやPEIが優位な場合もあり、用途条件に応じた最適選定が重要です。

設計の留意点

ポリイミド(PI)製品設計における実務上の留意点

ポリイミド(PI)は取り扱いに工夫が必要な高機能材質ですが、その卓越した性能は製品の付加価値を高め、従来困難だった課題を解決してくれる可能性を秘めています。

必要性とコストの見極め|200℃以下であれば他材料を検討

ポリイミド(PI)は性能的には魅力的ですが、非常に高価な材料です。設計段階で「本当にポリイミド(PI)が必要な条件か」を慎重に見極めましょう。

たとえば、想定温度が200℃程度までなら代替としてPEEKやPAIなどで足りる可能性があります。ポリイミド(PI)を採用する場合、そのコストに見合う付加価値(高温下での信頼性向上など)が得られるかを検討し、どうしても必要な箇所にのみ限定することが必要です。

図面・公差設計|金属やセラミックスと同様の感覚で管理

ポリイミド(PI)成形品の寸法公差は、金属やセラミックスと同様の感覚で管理できます。熱変形・吸湿による寸法変化はありますが微小で、通常環境では無視できる範囲です。

ただし使用温度域が広い場合、熱膨張係数の差に留意してください。金属パーツにポリイミド(PI)を嵌め込む設計では、両者のCTE差でクリアランスが変化します。高温ではポリイミド(PI)が膨張し嵌合がきつくなる可能性があるため、クリアランスをやや多めに設計するか、熱時に遊びが出ない構造を考慮します。

逆に、低温下では収縮しますが、ポリイミド(PI)は低温脆化しにくいため極低温用途でも寸法変化以外の問題は生じにくいです。

接合と組立|接着使用の場合は高温使用不可

ポリイミド(PI)同士や他材質との接着には、ポリイミド系接着剤やシリコーン系接着剤が使われます。エポキシ接着剤は手軽ですが、接着層の耐熱限界を超えるとクラックが生じるため、高温用途では不適です。

ポリイミド(PI)フィルムを用いた積層構造を設計する場合は、FEPラミネートフィルムなど熱融着可能なフィルムを活用すると工程が簡易になります。

ボルト締結で固定する場合、ポリイミド(PI)はクリープが小さいので締付力を比較的維持できますが、長期荷重では多少緩む可能性もあるためスプリングワッシャー等で弾性を持たせると安心です。

また、嵌合部品を設計する際はポリイミド(PI)部品のエッジを適度に面取りし、組立時のカジリや欠けを防止します。

表面処理と清浄度|粗化処理すると密着性が向上

ポリイミド(PI)表面に金属を密着させたい場合(シールド目的のメッキなど)、表面を粗化処理すると密着性が向上します。化学的に処理する方法(アルカリエッチング)は効果がありますが、やり過ぎると強度低下を招くため程度を見極めてください。

真空中で使用する部品では、事前に加熱真空乾燥してアウトガス除去するのがおすすめです。ポリイミド(PI)は低アウトガスですが、吸着した水分や有機不純物が完全になくなるわけではありません。

材質選定の工夫|グレードを適切に選択

必要な性能を確保しつつコストを抑えるために、異種材質との組合せも検討しましょう。

たとえば、大型部品全てをポリイミド(PI)で作ると莫大なコストになりますが、機械的強度が必要な骨格は金属で作り、熱的・電気的絶縁が必要な部分だけにポリイミド(PI)のインサートを用いるといったハイブリッド設計も有効です。

また、どうしてもポリイミド(PI)で厚みのある部材が必要な場合、グラスファイバー布で補強したポリイミド積層板を使えば、純粋なポリイミド厚板を削り出すより低コストで安定した形状が得られます。

さらに、同じポリイミド(PI)でもグレード選択でコストと性能バランスが変わります。たとえば、電気絶縁用途であれば最高性能の宇宙用グレードでなくとも、民生用の標準グレードで十分なことも多いです。各メーカーのデータシートを比較し、要求性能を満たすもっとも経済的なグレードを選ぶのがポイントです。

安全・環境への配慮|環境規制物質を含まず扱いやすい

加工時はポリイミド(PI)粉塵を吸い込まないように、適切な集塵とマスク着用を行います。ポリイミド(PI)自体は生体への毒性は低いとされますが、微細粉塵の吸引は避けるべきです。

また、レーザー加工などで分解ガスが発生する際は十分な排気をしてください。環境面では、使用済みポリイミド(PI)のリサイクル手段が限られるため(熱分解処理など)、設計段階で廃棄時の分別がしやすい構造にしておくと将来的な環境対応に繋がります。

たとえば、金属との複合部品の場合、簡単に分解できるようにしておくとリサイクルが容易です。ポリイミド(PI)は焼却すれば最終的に二酸化炭素と窒素酸化物になりますが、完全燃焼させれば有害ハロゲンガスなどは出ません(無臭ではありませんが臭素系難燃剤含有プラスチックよりクリーンです)。

そのため、環境規制物質(RoHS指令の制限物質など)は含有せず、安全保障輸出管理にも該当しない扱いやすい材質です。とはいえSDGsの潮流から、できるだけ長寿命化し廃棄物を減らす観点でポリイミド製品の設計を行うのが望ましいでしょう。

まとめ

ポリイミド(PI)は高性能ながら、高コストで取扱いに工夫が必要です。温度条件・接合方法・寸法安定性を考慮し、適材適所での採用とグレード選定により性能とコストの最適化を図ることが重要です。

PIのまとめ

耐熱・絶縁・難燃性に優れ、極限環境で性能を発揮する高機能樹脂

ポリイミド(PI)は耐熱性・絶縁性・耐薬品性・難燃性など、あらゆる面で優れた高機能樹脂です。電子機器から航空宇宙、医療分野まで幅広く使われる一方で、コストや加工性など設計上の課題も伴います。特性と制約の両面を理解し、最適な用途に活かすことが高信頼設計への第一歩です。

PI設計のポイント

  • 必要性とコストの見極め:高温・高負荷条件でのみ採用を検討し、他材質との併用でコスト最適化
  • 図面・寸法設計の工夫:熱膨張や吸湿変化を考慮し、クリアランスや公差を適切に設計
  • 接合・組立の留意:高温用途では接着剤選定に注意し、構造的な固定を優先
  • 環境・安全配慮:粉塵管理やリサイクル設計を意識し、長寿命化で環境負荷を低減

ポリイミド(PI)は扱いが難しい反面、適切に設計すれば他材質では代替できない性能を発揮します。用途条件を正しく見極め、必要な箇所に最適なグレードを選ぶことで、信頼性とコストの両立が可能になります。

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